初恋のキミは最愛ヒーロー
いや、“ただの友達”っていうのは、ちょっと違うか。
上手く言えねぇけど、その枠組みに当てはめるのは難しいというか…
違和感がある。
少しだけ特別な存在…と表現すればいいだろうか。
そんな風に感じてしまうのは……
碧瀬の笑顔や言葉が、あの子と似ている時があるから。
俺の…初恋の女の子に。
窓の外に視線を向けた俺は、冬の日差しに包まれた景色をボンヤリと眺めた。
碧瀬は、あの子じゃない。
別人だってことは、分かってる…。
だけど、不思議と…碧瀬にあの子の面影を重ねてしまうんだ。
あれから、もう9年が経ったのか…。
今、君は…どこでどんな日々を過ごしてる…?
「……会いたいな、もう一度」
ポツリと呟く。
もしも再会することが出来たら、その時は…ちゃんと自分の気持ちを伝えたい。
いや、伝える…。
絶対に。