初恋のキミは最愛ヒーロー
その後…。
適当に昼食を食べた俺は、風邪薬を飲んで少し休もうとベッドへ。
軽く昼寝するつもりが、起きると15時を過ぎていた。
「もうこんな時間か」
だいぶ長々と寝ちまった…。
うかうかしてると、桃舞たちが見舞いにやってくる時間になりそうだな。
急いでコンビニに行って来ないと…。
俺は厚手のセーターの上にコートを着ると、マフラーをしっかり巻き、マスクをして家を出た。
冷蔵庫に殆ど食材が入っていないため、晩飯と飲み物を買うためだ。
碧瀬から電話が来た時に、買ってきて欲しいものがあるかどうか聞かれたが、あそこで色々と頼むっていうのもな。
パシりに使うみたいで、気が引ける。
家から出られないほど体調が悪いわけじゃないし、コンビニが遠くにあるわけでもない。
さっさと買い物を済ませて帰ろう。
そうこうしているうちにコンビニに到着。
中に入ろうとした時だった。
「へぇ、黒河内じゃん」
聞き覚えのある男の声。
振り向くと、私服姿の紅月が鋭い眼光を放ちながら、こちらに近付いてくる姿が映った。