初恋のキミは最愛ヒーロー
「あの赤髪の男、前々から何かとトラブルを起こしていたらしいじゃねぇか。その度に大ごとにならないように後処理するのはグループの奴ら。だから、仲間内で色々と揉めてたんだろ?」
「………だけどっ、別に今日明日で消滅するような雰囲気じゃなかった。そもそも、グループで最強だったリーダーに歯向えるヤツなんて誰も……」
「だから、実際に計画してたらしい」
「何をだよ」
意味が分からないと言いたげに眉をひそめる紅月。
おそらく、コイツは何も知らない。
これから話す真実を。
「赤髪の男をグループから追放する作戦。本当は、あの事件の数日後に実行しようとしていたらしい」
「は?何だよ、それ。そんなデタラメな話…」
「お前は知らなくて当然だ。なぜなら、追放対象になってる人物に、お前も含まれてたんだから」
紅月は目を見開く。
やはり、誰からも何も聞いていなかったようだ。