初恋のキミは最愛ヒーロー
その後、普段よりも長く感じた午前中の授業を乗りきり、お昼休みへ。
でも、お腹が空かない私は窓の外をボンヤリと眺めていた。
眠いな…。
少しだけ寝ちゃおうかな…。
午後の授業が始まるまで、あと10分ぐらいあるし。
そう思って机に顔を伏せようとしたところで、紫葵ちゃんが私の席に駆けよってきた。
「莉彩ちゃん、そろそろ移動しよう?川上先生、いつも少し早めに来ちゃうし」
移動…?
川上先生…?
ボーッとしていた頭が覚醒する。
次の授業、化学だから教室移動しなくちゃいけないじゃん!
文化祭準備期間中は短縮授業だから、いつもと時間割が違うんだった。
ダメだ。
頭が全然働いてない…。
急いで化学のテキストとノートを準備して、紫葵ちゃんと一緒に教室を出る。
廊下を少し歩いたところで、急に悪寒を感じた。
あれ…?
今日は天気も良くて暑いぐらいのはずなのに、おかしいな…。
それに、なんだか足元がフワフワする…。
そう感じた次の瞬間、目眩がしてグラリと景色が傾く。
立っていられなくなった私は、その場に倒れて意識を手放してしまった。