初恋のキミは最愛ヒーロー

「どう?食べられそうな甘さ?」


「はい、とても美味しいです。ケーキまでご馳走になってしまって、すみません」


「いいのよ!他の種類のケーキも買ってきたから、いっぱい食べていってね!」


俺の対面に座っている莉彩のお母さんは、コーヒーを飲みながらニッコリと微笑む。


さすがに、いくつも食べられない…。


一個で充分だし。


っていうか、俺…すごく見られてる。


食べ方が何か変なんだろうか。


緊張しながらケーキを口に運ぶと、莉彩のお母さんは飲んでいたコーヒーカップをソーサーに置いた。


「黒河内くん、学校での莉彩って…どんな感じ?」


「えっ?」


「急にごめんなさいね。もうすぐ今の学校に転入してから半年経つから、新しい学校生活に馴染めてきてるかなと思って」


そう言えば、莉彩が来てから半年か。


「はい、だいぶ馴染んでると思います。莉彩さん、明るくて優しいので男女問わず慕われてますよ」


莉彩と仲良くなりたいと思ってる男子、結構いるらしいんだよな。


出来れば、仲良くして欲しくはないけど。


< 393 / 436 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop