甘え下手の『大丈夫』
「大体さ、大学進学で上京して、もうすぐ一人暮らし歴10年になるのよ?ある程度一人でできるようになるなんて当たり前だと思わない?」

いきなり切れだした私に3人は少し引いたみたいだ。
いや、筧くんはそのままか

「電球だってさ、切れたら代える、だって暗いと不便だからね?」

ホントは、高所恐怖で椅子にのぼるだけで膝ガクガクだけどね

「家具だって、でっかい段ボールで届いたのよ。邪魔じゃない、早く組み立てないと」

やってみたら、ネジが曲がって、扉がかなり斜めってるけどね

「パソコンの初期設定なんて、習ったことあるっちゅうの!」

やり方すっかり忘れてワケわかんなくなり、途中パソコン投げそうになったけどね

「ゴキブリはさ、出た時にそばにいてくれたら、そりゃ頼るよ。でもいないわけじゃん、呼び出して来る間にどこか隠れちゃうのよ、ヤツは。早いのよ!…またいつでるかわからない…そんな緊張空間にいるなんて耐えられないわ!」

それならば、いくら泣き叫びながらでも、私はヤツに戦いを挑む…

「…それをさぁ、一人で大丈夫だろって言われてもねぇ…」

確かにそういったところでは頼らなかったかもしれない。

でも、週末は会えるから、平日仕事しんどいけど頑張ろう!とか、二人でいるときは肩の力が抜けて安心できていた、とかは頼っていたことに、甘えていたことにならなかったのだろうか…。

「一人で大丈夫なんて…考えたこともなかったのになぁ…」

私はテーブルにうつ伏した。
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