妹の恋人[完]
朝から高橋さんと待ち合わせをして、バスで駅前のケーキ屋まで向かう。

「コウヘイ君、プレゼントは用意した?」

カナコが「一人500円」でプレゼント交換をする、というので、さんざん悩んでこっそり買いに行った小さなプレゼント。

「ああ、昨日学校帰りに買ったんだ」

「500円って何が買えるのか悩んだけど、意外とたくさん買えるのね」

ふふっと笑いながら、沢山ありすぎて選ぶのが大変だったという高橋さん。

バスの中で高橋さんの手をそっと握り、二人でケーキやへ向かう。

ちょっとしたことだけど、デートみたいで楽しかったり。

「ここのケーキ屋さん、おいしいよね」

駅前の商店街にある、小さなケーキ屋。

でも、昔から我が家ではケーキを買うときはいつもここだった。

「母さんが好きなんだ」

バスを降りて少し歩き、予約してあったケーキを受け取る。

かわいいサンタの帽子をかぶった店員さんが「メリークリスマス!」言ってくれた。

商店街の中はどこを見てもクリスマスで、歩いている人もなんだか嬉しそう。

「ちょっとだけ、寄り道」
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