妹の恋人[完]
やっと授業も部活もすべて終わって、急いで家へ向かっていたら、後ろから大野君が追いかけてきた。

手には自販機で買ったスポーツドリンク。

「コウヘイ!おまえ早すぎ!」

どこから追い掛けてきたんだろう?まったく気がつかなかった。

息を切らせながら俺に追いついた大野君は、手に持っていたスポーツドリンクを俺にくれた。

「誕生日おめでと!」

ただ、それだけのことなのに、大野君と友達で本当によかったと思う。

「ありがとう!」

なんだか友達っていいな、と温かい気持ちになれた。

「本当はさ、CDにしようと思ったんだけど、コウヘイ音楽何好きかしらないしさ」

ジュースだけで悪いな!そう言いながら照れる大野君。

「いいよ、本当にうれしいんだ」

走って追いかけてきてまで言ってくれた「おめでとう」は、CDよりもうれしい言葉だ。

ずっと、友達でいような!

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