妹の恋人[完]
「おにいちゃん、ケーキのろうそく消してね!」

丸いケーキに15本のろうそくが立っていて、真中に「おにいちゃんおめでとう」と書かれたプレート。

でも、よく見るとチョコレートのプレートではなくて。

プラスティックの板にサインペンで書かれていて。

すぐにカナコが書いてくれたんだってわかったんだ。

文字の横には俺の似顔絵らしき絵もあって。

うれしくて、うれしくて、なんだか泣きそうになってしまった。

「すごいね、カナコ。おにいちゃん、うれしいよ」

髪の毛がぐちゃぐちゃになるほど、横に座るカナコの頭をぐりぐりなでた。

「じゃあ、電気消すわね」

リモコンで部屋の電気を消すと、ろうそくの灯がやさしくあたりを照らす。

「はっぴばーすでい とぅーゆー♪」

カナコと母さんが歌ってくれる。

カナコが一生懸命書いてくれたプレートが涙でかすんできたけど、二人にばれないようにそっとぬぐった。

「おにいちゃん、おめでとう~!」

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