妹の恋人[完]
「あのね、これはカナコからのプレゼント!」

照れながらカナコがくれたのは、画用紙いっぱいに描かれた沢山のハートの中にる、俺とカナコの似顔絵だった。

「おにいちゃんとカナコがいつまでも仲良しでいられますようにって描いたんだよ!」

裏には「おにいちゃん大好き」なんて書いてあって。

どうしても我慢できなくなって、カナコをぎゅーっと抱きしめてしまった。

「カナコ、ありがとう!おにいちゃんうれしくて涙が出ちゃった」

「さあさあ、食べましょう!冷めちゃうわよ!」

カナコが作ってくれたというピザ。

学校から帰ってきて、母さんと一緒に粉からこねてくれたらしい。

初めてではなかったけど、ほぼ一人でがんばったんだとか。

ケーキも、母さんに手伝ってもらいながら頑張って作ったんだよ、と照れながら教えてくれた。

どれもおいしくて、おなかがはちきれそうなくらい食べたんだ。

その日は母さんの提案で、母さん達の寝室にカナコと俺と3人で川の字になって眠った。

久しぶりにカナコと手をつないで。

なんだかどきどきしちゃって、なかなか寝付けなかった。

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