妹の恋人[完]
「え?だれって、え?」

こんなに朝早い時間。

高橋さんの電話に出るということは、彼女と一緒にいるということ。

『は?あんただれ?』

相手の男は、俺の声が男だったことにどうやらお怒りのご様子。

聞き覚えのある、声。

「・・・浅野コウヘイです」

『・・・』

布のすれる音は、想像するにおそらく布団。

俺の名前を聞いて黙ってしまった相手の声を必死に思いだそうとして頭をフル回転させる。

『・・・タクミ、なにしてるの?』

電話の向こうで、ちゅっという音に続いて、眠そうな高橋さんの声が聞こえてきた。
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