妹の恋人[完]
翌日から、授業の度にテストが帰ってきて、どんどん結果が出てくる。

どれも全体的に悪くはなかったけど、総合結果表をみてやはり塾へ行くべきだと思ってしまった。

総合学年順位が書いてある欄を見ると、学年3位。

俺よりも2人も成績が上の人がいる。

なんだかそれがすごく悔しくて、誰なのか知りたくてたまらなくなった。

放課後、学級日誌を書いていたら、掃除当番が終わった高橋さんが教室へ戻ってきた。

「浅野君、お疲れ様」

「お疲れ様」

あとは職員室へ持っていけば帰れるぞ!

パタン、と日誌を閉じて机の横にかかっている鞄を取り、筆記用具を片付ける。

「浅野君、テストの結果どうだった?」

同じように鞄を取りにきた高橋さんは、自分の席で荷物をまとめると俺の机の前に立った。

もう終わりなら一緒に帰りましょう?と。

「ああ、いつもとそう変わらないかな?」

いつも順位は学年で5番以内を保っていた俺。

でも、今回は部活を引退してから初めてのテストだったので、勉強した時間はいつもよりも長かったんだ。

だからちょっと自信があった。学年1番になれるかも、なんて。
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