妹の恋人[完]
「母さんはなんでも形からだなぁ」

父さんはそんな母さんを見ながら、幸せそうに笑っていた。

今年も一年、大きな悪いこともなくて幸せだったな。

来年も、平和な一年でありますように。

家族4人で新年を迎え、カナコと二人で近所にある神社へ歩いて初詣へ出かけた。

「お母さんたち、寒いからなんて言って、いつ初詣行くんだろうね?」

たっぷり着込んだカナコの首には、クリスマスに俺がプレゼントしたマフラーが巻かれていて。

「はは。お昼ごろじゃないか?去年もそんな感じだったような気がするけど」

もちろん、俺もカヨちゃんからもらったマフラーを巻いて、寒空の下歩いている。

神社が近くなると、近所の人がたくさん集まってきていて。

「明けましておめでとうございます」

すれ違う人に新年のあいさつをして、境内へと足を進める。

「今年もいい一年になりますように」

声に出してお寝顔をしているカナコは、やっぱりまだ小学生なんだなとちょっと安心してしまう。

俺も健康と幸せを願って、二人でおみくじを引いてから帰宅した。

ほんの1時間くらいの外出だったのに、帰宅したら父さん達はすっかり寝入った後で。

カナコと二人、冷えた体を温かいお茶を飲んで温めながら、少し話をしてから眠ることにした。
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