妹の恋人[完]
今年の引退試合でも、それなりの成績を残したカナコ。

結果、推薦の対象になれたのだろう。

「え、提出期限明日じゃん!」

「そうなの。実は決まっていた子が公立受けるって言い出して」

当初、ほかの子に決まっていた私立の推薦枠。

その話がカナコに回ってきたのだという。

「おにいちゃん、どう思う?」

突然の話で、カナコも母さんも正直戸惑っているようだ。

「学校としては、スポーツに力を入れていることで有名だよね」

俺の知っている限りの情報を伝えると、カナコの顔も徐々に不安から期待にあふれたものに変わっていった。

「受けてみようかなあ」


よほど問題がない限り受かるであろう推薦入試。

母さんも、カナコの気持ち次第と言った感じで。

「必要な書類はそろえてあるから、書けるだけ書くわね」

後は父さんが帰宅してから相談することになった。
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