妹の恋人[完]
父さんは、俺がカナコの面倒を見ることになるのを心配していて。

「まあ、ハナちゃんのお宅の協力を得られたら、俺も頑張るし。俺自身、一人でいるより心細くないのも本音だよ」

カナコがいれば、頑張れるとも思う。

お隣に迷惑をかけることにはなるんだけど・・・。

「今朝の様子だと、カナコの意志は固そうだな」

父さんも苦笑いしていて。

バスを降り、駅に着いてからはそれぞれ別のホームへ行くので、改札の前で別れた。

今日は夜、バイトがあるので話し合いには参加できないけど。

俺もこれから家のことを覚えて、頑張っていく準備をする必要がありそうだ。

大学へつき、いつものようにバスケットで体を動かして気持ちよく汗を流した。

大学生活も残り僅か。

レポートの提出も終わり、あとは卒業を待つだけの日々だった。

バイトも受験が終わるまでの約束で、子供たちと過ごす時間も残りわずかで。

後、1ヶ月もしたら彼らも進路が決まり、春を迎える。
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