妹の恋人[完]
「そろそろだよねぇ」

電話が待ち遠しくて、落ち着かないカナコは、電話とソファを何度も往復していて。

「カナコ、座ったら?」

「んー、トイレ!」

あわててリビングを飛び出して行ってしまった。

二人の生活も1週間が経ち、ハナちゃん家族にかなり助けられてはいるものの、何とかなるものだなんて。

ぼーっとニュースを見ながらカナコが戻ってくるのを待っていると、リビングの電話がなって。

「カナコー」

楽しみにしていた電話かもしれない。

戻ってこないカナコを呼びつつ、電話に出ると、母さんからだった。

『あら、コウヘイなの?カナコは?』

いつも電話はカナコが出てしまうので、父さん達が引っ越してからは俺が電話に出ることはほとんどなくて。

「はは。タイミング悪くてね。もうすぐ戻ると思うよ」

そんな会話をしていると、ばたんとリビングの扉が開いて。

「お母さん!?」

あわてて俺から電話を取ると、息を弾ませながら今週あったことを早口で説明していて。
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