妹の恋人[完]
しばらく横で聞いていたけど、さすがにこれだけ話が続くと母さんも困っているんじゃないだろうか。

キリの良さそうなところでカナコから電話を取り上げ、受話器を耳に当てると、母さんの笑い声が聞こえて。

「もしもし?」

『あら、コウヘイ?もうカナコすごいわね。元気そうで安心したわ』

父さんたちも変わりないようで。

明日から会社へ行くことなどを伝え、最後にもう一度カナコに代わって電話を切った。

「もう、おにいちゃん邪魔しないでよね!」

途中で電話を取り上げられたことを文句言いつつ、電話で話ができて落ち着いたのか、お茶を飲みながらソファに深く座った。

「報告は手紙かメールにするといいよ。あちらの家でもインターネットに繋がったようだし」

「そうなの?」

これからは毎日メールで報告する!と張り切っているカナコに、父さん達が置いて行ったノートパソコンをあげることにして。

リビングで使えるように設定してあげると、早速何やらメールを必死になって書いていて。

しばらくカナコに付き合っていたけど、先にお風呂に入ることにした。

ゆっくりと入ったつもりだったけど、出てからもまだパソコンにしがみついていて。

何を見ているのかと後ろから覗くと、ファッション関係のサイトのようで。

「この服、かわいい・・・」

小さい声で呟きながら、画面に食い入るように見ていた。

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