Melty Smile~あなたなんか好きにならない~
「政略結婚だというのは、ご存じだと思います。けれど私は、両親のため、夕緋のため、自らの意志ですべてを捧げる覚悟があります」
顔を上げた千里さんは私の両手を握りしめ、強固な決意の眼差しを向ける。
迫力に気圧されてしまって、なんと答えればいいのかわからない。
「あー、とりあえず落ち着け、千里。彼女、困ってる」
見かねた陣さんが間に割って入って、興奮する千里さんをなだめて椅子に座らせた。
千里さんは昂る感情の始末に困って身体をうずうずとさせていたけれど、ひとつ大きく息をして呼吸を整えると、なにもしらない私へ順序立てて話してくれた。
「私は、幼い頃から経営学について学んで参りました。それから、英語にドイツ語、茶道や華道などの一般教養、どこに行っても礼儀正しくふるまえるよう、各種マナーについて。すべて、両親の会社を継ぎ経営の最前線に立つためのものです」
姿勢を正し冷静になった彼女は、十代の女の子とは思えぬ落ち着きぶりだった。
丁寧な言葉遣い、聞き取りやすい発音、誰かの前に立つことを意識して培われたものだろう。
「英才教育を受けているのは夕緋も同じです。彼もやがては御堂財閥の跡取りとして、グループのトップに立つ身。華穂さんもきっと、今までたくさんのことを学んでいらっしゃったかと思いますが、おそらく私たちとはまったく種類の異なる教育でしょう」
もしかして、こう言いたいのだろうか? 『住む世界が違う』って……。
顔を上げた千里さんは私の両手を握りしめ、強固な決意の眼差しを向ける。
迫力に気圧されてしまって、なんと答えればいいのかわからない。
「あー、とりあえず落ち着け、千里。彼女、困ってる」
見かねた陣さんが間に割って入って、興奮する千里さんをなだめて椅子に座らせた。
千里さんは昂る感情の始末に困って身体をうずうずとさせていたけれど、ひとつ大きく息をして呼吸を整えると、なにもしらない私へ順序立てて話してくれた。
「私は、幼い頃から経営学について学んで参りました。それから、英語にドイツ語、茶道や華道などの一般教養、どこに行っても礼儀正しくふるまえるよう、各種マナーについて。すべて、両親の会社を継ぎ経営の最前線に立つためのものです」
姿勢を正し冷静になった彼女は、十代の女の子とは思えぬ落ち着きぶりだった。
丁寧な言葉遣い、聞き取りやすい発音、誰かの前に立つことを意識して培われたものだろう。
「英才教育を受けているのは夕緋も同じです。彼もやがては御堂財閥の跡取りとして、グループのトップに立つ身。華穂さんもきっと、今までたくさんのことを学んでいらっしゃったかと思いますが、おそらく私たちとはまったく種類の異なる教育でしょう」
もしかして、こう言いたいのだろうか? 『住む世界が違う』って……。