Melty Smile~あなたなんか好きにならない~
「で、次に会う約束はしてるのか?」

「……どうしてですか?」

「約束がないってことは、やるだけやって捨てられたってことだろ?」

「失礼なこと言わないでください! 陣さんが思うようなことはしてませんし、ちゃんと次の約束もあります……」

「いつ?」

陣さんが興味津々といった目で、身を乗り出してきた。
次の約束は明後日。ゴールデンウィーク後半の、四連休の初日だ。
御堂さんはこの連休で仕事の遅れを取り戻すと意気込んでいたので、また事務所へお手伝いに行く約束をした。

「どうしてそんなことを聞くんですか?」

「嘘じゃないかと思って」

「……明後日です。御堂さんの会社に、お手伝いに行く約束をしています」

「なんだよ、仕事かよ」

嘘ではないと判断したようだったが、陣さんは呆れたように肩を竦めた。

「夕緋なんかやめちまえって。しかも、この前、あいつのせいで殺されかけたじゃねぇか」

「御堂さんのせいでは――」

「あいつのせいだよ。あいつの横にいると、いつまた襲われるかわかんねぇぞ。犯人、まだ捕まってないんだろ」

「……はい」

ナイフの男は逃走したまま、未だ行方知れずだ。警察も足取りを追ってはいるはずなのだが、捕まったという連絡はない。
陣さんは「だろ?」と得意げな顔をして、私の方へ身を乗り出した。

「そんな危険なヤツやめて、いっそ俺のところにくれば?」

「……どういう意味ですか?」

「俺と付き合えって言ってる」

「え!?」
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