Melty Smile~あなたなんか好きにならない~
もう五月の初め、だいぶ暖かくなりコートなんて誰も着ていない気温だというのに、その人物は身を隠すかのように丈の長いコートを纏っていた。それから、目深な帽子に、マスクまで。
身体つきは明らかに男性で、それなりの背の高さもあった。
ホテルで私たちを襲ってきた男と同一人物だろうか。暗がりということもあり、ここからでは判断できない。
早足はやがて駆け足にならざるを得なくなり、様子見に徹していたコートの男も、もう遠慮は不要と判断したのか、はっきりと追う意思を見せた。
完全に追われる構図となり、人気のない裏路地を私は全速力で駆け抜ける。
お願いだから、早くきて!
祈るような気持ちで走り続けるも、パンプスで男の足から逃げようなんて無駄だった。あっという間に追いつかれ、腕を強くうしろに引かれ、足がもつれた。
「きゃっ!」
地面につんのめってしまい、咄嗟に手と膝を着く。取り落した携帯電話がガシャンと音を立てて離れた場所に落ちた。
拾おうと手を伸ばすも、男がその手を掴み地面に押し付けて、私の身体を羽交い絞めにした。
「いやっ――」
男の体重が私の身体をぐっと押しつぶす。
叫ぼうとしたところで無理やり口を塞がれた。あまりの力の強さに、何も抵抗できなかった。
身体つきは明らかに男性で、それなりの背の高さもあった。
ホテルで私たちを襲ってきた男と同一人物だろうか。暗がりということもあり、ここからでは判断できない。
早足はやがて駆け足にならざるを得なくなり、様子見に徹していたコートの男も、もう遠慮は不要と判断したのか、はっきりと追う意思を見せた。
完全に追われる構図となり、人気のない裏路地を私は全速力で駆け抜ける。
お願いだから、早くきて!
祈るような気持ちで走り続けるも、パンプスで男の足から逃げようなんて無駄だった。あっという間に追いつかれ、腕を強くうしろに引かれ、足がもつれた。
「きゃっ!」
地面につんのめってしまい、咄嗟に手と膝を着く。取り落した携帯電話がガシャンと音を立てて離れた場所に落ちた。
拾おうと手を伸ばすも、男がその手を掴み地面に押し付けて、私の身体を羽交い絞めにした。
「いやっ――」
男の体重が私の身体をぐっと押しつぶす。
叫ぼうとしたところで無理やり口を塞がれた。あまりの力の強さに、何も抵抗できなかった。