Melty Smile~あなたなんか好きにならない~
「華穂」

鼻先で私の名前を囁いて、返事なんか待たずに唇を塞いだ。

「……っ」

こんなに広いリビングで、こんなに大きなソファに座っているというのに、私と彼の世界は直径一メートルの中。
その小さな世界で身体を重ね合わせて、何度も何度もキスを繰り返す。
ソファに倒れこんだ私を彼が左手で丁寧になぞっていく。

「……んっ……ん……」

優しくて艶めかしいその仕草に思わず吐息がこぼれると、御堂さんは突然立ち上がり、私の身体を力強く抱き上げた。

「御堂さんっ……!?」

彼は一度柔らかな笑みを浮かべた後、私を奥の寝室へと抱きかかえていった。
彼は電気すらつけずに、天蓋に覆われたキングサイズのベッドの上に私を下ろした。
ふわふわしたマットレスに身体が沈み込み、シルクのシーツの滑らかな感触が手足に絡みつく。
そしてその上を御堂さんが覆う。
隣の部屋から漏れるわずかな明かりがかろうじて私たちの輪郭を照らし出していた。

「驚かせてごめん。でも……」

私の顔の両側に手をついた彼は、真面目な声で言った。

「本気で華穂を俺のものにしたくなったんだ」

反論なんて許さない、そんな勢いで私の唇を塞ぐ。
唇を割ってどんどん彼が侵食してきて、思考がかき乱された。
噛みつくように唇をはまれ、ちくりとする痛みに顔を歪めると。

「言っておくけれど、煽ったのは華穂だからね」

そう呟いて再び私の唇を甘噛みする。
怪我をした右腕はベッドに着いたまま、左手で首筋を優しく撫でる。
かと思いきや、今度はそこに唇ごと持っていって、強くその証を刻むように押し付ける。
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