Melty Smile~あなたなんか好きにならない~
「待て!」
陣さんの叫び声に振り返ると、私の肩に伸びてくる手が見えた。
その手に捕らえられる直前、もうひとつの手がそれを防いだ。御堂さんだ。
「陣!」
御堂さんが陣さんの腕を捻り上げると、その勢いに弾かれて陣さんの身体が浮かび上がった。
「っぐあっ!」
ドシン、という大きな音を響かせて、陣さんは床に背中を打ち付けた。
強く肺の周囲を叩きつけられて、一瞬息ができなくなったようだ、乾いた咳と呻きを漏らし、ごろりとうつ伏せにのたうった。
よろよろと起き上がろうとしたところを、御堂さんがすかさず馬乗りになって、両腕を掴み上げる。
「痛ぅ!? くそっ――」
「悪い。これ以上華穂に手出しさせるわけにはいかない」
しばらく御堂さんの下でもがいていた陣さんだったが、完全に身動きが封じられたとわかると、観念して大人しくなった。
「……わかった、わかったから離せ」
聞く耳を持たない御堂さんだったが――
「御堂さん」
私が目で訴えると、腑に落ちない顔をしながらも渋々陣さんの背中からどいた。
「……華穂がそう言うなら」
警戒しつつ、掴んでいた手を放し、解放する。
もう陣さんは暴れたりしなかった。
投げ飛ばされた身体がまだ痛むのか、だるそうに上半身を起こし、近くのベッドの上にその身をずるずるとひきずっていった。
陣さんの叫び声に振り返ると、私の肩に伸びてくる手が見えた。
その手に捕らえられる直前、もうひとつの手がそれを防いだ。御堂さんだ。
「陣!」
御堂さんが陣さんの腕を捻り上げると、その勢いに弾かれて陣さんの身体が浮かび上がった。
「っぐあっ!」
ドシン、という大きな音を響かせて、陣さんは床に背中を打ち付けた。
強く肺の周囲を叩きつけられて、一瞬息ができなくなったようだ、乾いた咳と呻きを漏らし、ごろりとうつ伏せにのたうった。
よろよろと起き上がろうとしたところを、御堂さんがすかさず馬乗りになって、両腕を掴み上げる。
「痛ぅ!? くそっ――」
「悪い。これ以上華穂に手出しさせるわけにはいかない」
しばらく御堂さんの下でもがいていた陣さんだったが、完全に身動きが封じられたとわかると、観念して大人しくなった。
「……わかった、わかったから離せ」
聞く耳を持たない御堂さんだったが――
「御堂さん」
私が目で訴えると、腑に落ちない顔をしながらも渋々陣さんの背中からどいた。
「……華穂がそう言うなら」
警戒しつつ、掴んでいた手を放し、解放する。
もう陣さんは暴れたりしなかった。
投げ飛ばされた身体がまだ痛むのか、だるそうに上半身を起こし、近くのベッドの上にその身をずるずるとひきずっていった。