ナミダ列車
「………何を物騒な、」
流れる田んぼ風景に視線を落としていると、次から次へと懐かしいエピソードが蘇ってくる。
眉を下げる私は、急に変なことを言い出すハルナさんに呆れ笑いを浮かべてしまった。
「あら、信じないか」
「もっとうまいジョークを言ってくださいよ」
「……逆に言えばジョークじゃないかもしれない。だって、実際いろはは俺の正体がなんだか分からないんだろ?」
「まあ…そうです、けど」
「……じゃあ、つまりはさ、こういう仮説も立つわけだ」
ズイ、と顔を近づけてくるハルナさんは、きっかいに口角をあげる。
そのあまりの近さに喉を鳴らせてしまい、まるで彼へと意識が注がれた。
「もしかしたら、俺は悪い人かもしれない……って、」