ナミダ列車
「これは本当」なんて口にして、私の目の上にかかっている髪を、繊細な手つきで払ってくれるハルナさん。
まるで子供をあやしているみたいに優しい瞳を向けてくるのだから、また喉の奥が鳴ってしまった。
────全部知ってる?どういうこと?
不可解すぎる言葉に表情を曇らせる私に、ハルナさんは何処となく物儚げに微笑んだ。
「いろはのことは、俺が全部知ってる」
「……そんなの、信じられるわけ、」
「じゃあ今から一つ証明してあげようか」
だって、何の信憑性もない発言だった。はいそうですかって、簡単に信じられるわけない。
「そうだなー」と辺りを見回しているハルナさんは、一点、私の手帳に視線を落とす。
「それ」
「え?」
「4月のある日の出来事を事細かく言い当てましょう」