ナミダ列車
────4月。2ヶ月前の出来事。
2ヶ月前だとしても、彼に関わった記憶などは一つもなかった。しかも私はバイトもしていないのだ。
学校に行って、帰る。そんなに外向的ではなかった。
それだからなおさら、年の離れた人と高校生が接点を持つ機会なんてそうそう無いんだ。
にわかに疑わしかった。
だけど、ハルナさんは余裕綽々そうな顔で頬杖をつきながら見上げてくる。
「2014年4月12日。その日の朝ごはんは、いろはの大好物のベーコンエッグトーストだった。出勤する親を見送ったあと、気分が上がったので近所にあるフラワーパークでデッサンをする。どの花にしようか目移りしてしまって描きはじめるまでに1時間かかってしまった」
「……っ」
「…どう?こんな感じだったかな。確認してみて」