桜色の涙

そう頭ではわかっているのにどうしても右隣をチラチラと見てしまう。


あー、集中できない!頭も心もまた星那のことでいっぱいになってしまう。


離れてしまった視線に寂しさを覚えた。




陶芸も終盤に差しかかった頃。


「痛っ」


右隣から痛そうな声が聞こえた。



「せっ」


「大丈夫?星那ちゃん、指切った?」


────星那、どうしたの?



どうやら指を切ってしまったらしい。尋ねようと振り返ると、そこには星那の手を握る男の子がいた。


確かに星那は可愛いし心配になるのはわかるよ?でもさりげなく手を握らなくても手当てくらいできるのに。
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