桜色の涙
って、俺はまた星那のことばかり考えていた。
もうダメだ。諦めるって決めたはずなのに、彼女を前にすると一瞬でその決意も揺らいでしまう。
他の男子と話しているだけで心がモヤモヤするし、少し触れているだけでも心が落ち着かない。
やっぱり俺は星那が好きなんだ。
◇◆◇
「……すごすぎだろ」
「本当に美味しそうだね、渚!」
これから夕食が始まる。
俺達2年生が泊まるのは現地でも有名なホテル。部屋は5人部屋だけど意外と広くて、窓から見える景色には驚いた。
そして、夕食も朝食もバイキングらしく、今から楽しみ。