桜色の涙

なんだかこの雰囲気が好きだな。特にこれといって大事な話はしていないけど落ち着く時間。


俺にとってこの瞬間が本当に大切なんだ。



ムードメーカーの矢代さん。冷静にツッコミを入れる渚。そのふたりに加わって話す俺。


そして、静かに見守る……俺の彼女である小谷さん。


組み合わせはバラバラだけどひとつになるとこんなに楽しいこと。みんなに出会うまでは知らなかったよ。



ひとつだけ。たったひとつだけ俺がこのとき間違えていたのは、この時間が1番の幸せだと思っていたこと。


確かに他のことには変え難いくらいに楽しい。


でも、それは俺の本当の気持ちを抑え込んでいた結果なんだ。


もっと早く間違いに気づいていれば、どれだけ良かっただろう。
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