桜色の涙

俺が本気になれば星那の心なんて簡単に取り戻せる。星那や広瀬を傷つけることだってできるんだ。


そのときの俺は自分を過信して、努力しようとはしなかった。きっとそれが間違いだったんだ。



星那と久しぶりに話してすぐに気づいたこと。それは、その視線がもう俺には向けられていないことだ。


それは、きっと。星那が広瀬のことを好きになったってことなんだろう。


ずっと俺ばかりを見ていた彼女が他の人を好きになるなんて、悔しかった。




2年生の始業式。俺は、学校に着いてすぐに告白された。


名前は……覚えていない。かなり派手で諦めの悪い奴だった。
< 318 / 374 >

この作品をシェア

pagetop