桜色の涙
俺が本気になれば星那の心なんて簡単に取り戻せる。星那や広瀬を傷つけることだってできるんだ。
そのときの俺は自分を過信して、努力しようとはしなかった。きっとそれが間違いだったんだ。
星那と久しぶりに話してすぐに気づいたこと。それは、その視線がもう俺には向けられていないことだ。
それは、きっと。星那が広瀬のことを好きになったってことなんだろう。
ずっと俺ばかりを見ていた彼女が他の人を好きになるなんて、悔しかった。
2年生の始業式。俺は、学校に着いてすぐに告白された。
名前は……覚えていない。かなり派手で諦めの悪い奴だった。