桜色の涙

そんなとき、チャラいことで有名な俺の友達が。


『星那ちゃーん、近くで見るとやっぱり可愛いね。一緒に回らない?』


星那の肩に腕をかけながら軽いノリでそう聞くと星那は困ったように笑う。



『私……友達と来たんだけど、はぐれたみたいで……』


その顔は嘘をついているようには見えなかった。ということは、きっと女友達と来ているんだろう。


結局星那の友達が見つかるまで俺達は一緒に回ることになった。


俺にとってはまたとない大チャンス。


絶対に成功させて星那の心を取り戻すんだ。そう意気込んでいた。



それから俺達はいろいろな屋台を回った。射的にヨーヨーすくい、チョコバナナにお好み焼き。


3人でたくさんの場所を巡り、笑い合えるほど俺達の関係は元通りになっていた。
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