桜色の涙
『あっ、星那ちゃん!』
『良かった!悠大くん達と一緒だったんだね』
と、そんないいところに数名の女子の集団が近寄ってきた。どうやら星那と一緒に来ていた女友達らしい。
これで星那といられる時間も終わりか。そう思っていたのに気がつけば、俺と星那はふたりきりで歩いていた。
どうやら俺の友達も女子の集団も俺と星那が一緒に回ることに賛成だったらしく、快く受け入れてくれたようだ。
今日ばかりはうるさい女子に感謝しなければならないな。そう思いながらも少し離れた星那の隣を歩く。
手を繋ぎたい。抱きしめたい。「好き」って伝えたい。
でも俺に振られる勇気はないんだ。
あんなに星那を傷つけたのに、自分が傷つくのは怖いなんて情けないな。