副社長のイジワルな溺愛

【返信が遅い。通知にしていないのか? 業務外の呼出だ。他に特別な約束はないだろうから、十八時半に来るように】

 送信して一分と経たずに返信が返ってきた。
 また副社長は勝手ばかりだ。私だって、特別なお誘いを受けることだってあるんです!
 それに、そのためにアドバイスしてきてくれたじゃないですか。


【通知はしていますが、他の作業があったので遅くなりました。申し訳ありません。それから、明日は先約があるので終業後はお伺いできかねます。副社長がアドバイスしてくださったおかげです。ありがとうございます】


 「よかったな」って、きっと言ってくれるだろう。
 優しい表情を見せてくれるかはわからないけど、いつもよりは幾分か穏やかな声色で。


【わかった。明日、また頼みます】
【かしこまりました】

 意外とあっさりだな……。こんなもんか、副社長はいつも冷たい人だもんね。


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