副社長のイジワルな溺愛

「お前飲みすぎ」

 倉沢さんが間に入ってくれたけど、女性の視線はさらに鋭さを増している。


「倉沢さんにまでちょっかい出してるの?」
「おい、やめておけって」

 他の男性社員も止めに入ったけど、余計に怒りを煽ってしまっていて。


「いつから副社長とお近づきになってたんですか? どうやって落としたの? 教えてくださーい」

 一番気の強そうな顔の女性社員に言われて、私は思わず立ち上がり、バッグを持って店を出てきてしまった。



 私は倉沢さんが好きなだけ。
 副社長のことは、尊敬はしてるけど特別な目で見たことはない。

 このところ話すようになったのは、経理業務があったからで。
 銀座に連れて行ってくれた日から、少し私情も挟んでしまっているけど、でも副社長を特別に想ったことは一度もないのに……。


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