副社長のイジワルな溺愛

 翌日金曜。
 週に一度の“御門タイム”と勝手に名づけた、副社長室での経理業務もだいぶ慣れてきた。


「――あはは、それは初耳です。今度お会いした時に是非詳しく」

 副社長は携帯で社外の誰かと話しているようで、随分楽しそうだ。
 初耳の有力な情報でも入手したのか、機嫌よく終話した。


「何かいいことでもあったんですか?」
「別にないな」

 え!? 今あんなに楽しそうだったのに!? 社交辞令だったの!?
 終話した途端、いつもの冷徹な真顔に戻った彼は、私を一瞥して言った。


「君の方こそ、倉沢から返事は来たのか?」
「……まだです」
「そうか」

 待てど暮らせど、昨日から返事はない。
 送ってからあと少しで二十四時間が経つ。こうして待つのが嫌だったから直接話したかったのにと、何度も後悔しているところだ。


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