副社長のイジワルな溺愛
「できることなら、これが勘違いで終わらなければいいと思っているけどね」
テーブルを挟んだ向かい側から、魅惑的な瞳で見つめられると鼓動が急く。
副社長の気持ちにどんな答えを返せばいいんだろう。
店を出てから大通りでタクシーを捕まえると、彼は「川崎まで」と告げた。
本当にちゃんと送ってくれるんだ……。
副社長の自宅は広尾なのに、わざわざ横浜まで来てくれて、彼の気遣いを改めて感じる。
二十五分ほどで川崎に着き、タクシーを停めてもらった。
「家まで送るよ。夜に歩かせるわけにいかない」
「大丈夫です。人通りも街灯もあるので」
「君が大丈夫でも、俺がよくない」
真剣に反対されて、私は運転手に自宅までの道を伝えた。