副社長のイジワルな溺愛
「あの」
「君が早く返事をくれないから、言わなくてもいいことを言うしかなかった」
「……すみません。でも、今できるお返事は」
「君のことばかり考えてしまうから、待とうと思うのに急かしてしまう。すまない」
間もなく十七階に到着して、私は一礼してエレベーターを降りた。
いつまでも待たせるわけにいかない。
分かっていたけど、心の矢印がどこに向かおうとしているのか自分でも見えなくて、すぐに答えは出せずにいる。
金曜に副社長の自宅で抱きしめられながら告白されて、信じられない思いで週末を過ごし、昨日は彼の想いを改めて告げられて……。
この数日のうちに、副社長の存在が大きくなりつつあるのは確かだ。
自分の気持ちが宙に浮いて掴めない感覚なのは、生まれて初めて男性から好意を告げられたからだろう。