副社長のイジワルな溺愛


 ――金曜の朝。
 出社途中で副社長からメールが届いた。

 昨日も一昨日も、“おはよう”と“おやすみ”の連絡は欠かすことなく送られてきていたけど、今朝はお誘いの連絡だ。



【おはよう。今夜、予定はある? 一緒に過ごしたいんだけど、どうかな】

 前までの強引さとは違う、私の都合に合わせようとする彼の優しさが文面から感じられて、思わず頬を綻ばせる。


【おはようございます。今夜、大丈夫です】

 返せる言葉を探したけど、ドキドキしてそれ以上が浮かばなかった。



 出社すれば、副社長の相手として認識された視線がまとわりつく。
 それでも、以前のように俯いたり気まずさを必要以上に感じないのは、副社長が堂々としてくれたからだ。

 彼の気持ちを知ったからには、私なりに真正面から彼と向き合って答えを出さなくちゃと思う。
 副社長からのアドバイスどおりに変わっていくなかで、いつの間にか内面まで強くなれたような気がした。


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