副社長のイジワルな溺愛

【連絡遅くなってごめん。まだ社にいる?】
【お疲れさまです。ちょうど社を出るところでした】
【車寄せで待ってて】

 また噂されるだろうけど、副社長の言うとおり社の正面入口そばに設けられた車寄せに立つ。


 もし私が香川さんだったら、今頃倉沢さんと手を繋いでいたかもしれない。
 倉沢さんも諦めようとしていた恋が叶ったのだから、喜びはひとしおだろうなぁ。



 目の前を超が付く高級車のエンブレムが通り過ぎたと思ったら、停車してウィンドウが開いた。


「お待たせ。ごめん、連絡が遅くなって」
「……いえ、大丈夫です」

 左側の運転席から降り、私を助手席へとエスコートする彼は、今日私に何があったか知らない。
 私の恋はとっくに終わっていたのだから言っても言わなくても同じだろうけど。


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