副社長のイジワルな溺愛
特に話すこともなく、彼も口数は少なめ。
どこに向かうのかすら問うことなく、誘ってくれた彼の思うままに委ねた。
見ているようで見ていない車窓からの景色が、ふと暗くなってハッとする。
「着いたよ」
助手席でぼんやりしていた私に微笑みかける、副社長の声色がとても優しい。
「今日は出かける気分でもないだろうから、俺の部屋でゆっくりしよう」
「えっ!?」
「大丈夫。襲ったりしないから」
彼の手のひらが、私の頭にぽんと乗せられて、すぐに去っていく。
子ども扱いされているのか、それともこれも愛情表現なのか戸惑ってしまった。