副社長のイジワルな溺愛
「副社長のこと、少しでも知れてよかったです」
副社長と一緒にいると、気づかぬうちに穏やかな気持ちになる。
倉沢さんに失恋しても、今日みたいに複雑な気持ちになってしまっても、ちょっとのことじゃ動じない彼に見つめられたら、心が救われるんだ。
「もっと、知ってほしいと思ってるよ。俺は」
「っ!!」
片手で顎先をわずかに持ち上げられ、見上げていた視界が揺れた。
「キスしたい。今はそう思ってる」
私の動揺は気にもせず、彼は顔を近づけてくる。
副社長が教えてくれた鼻先を掠めそうな距離で、彼は私を見つめて微笑んだ。
「するよ? 本当に」
戸惑いを口にしようとしたその時、やわらかな唇が重ねられて、私はそっとまぶたを下ろした。