副社長のイジワルな溺愛

 副社長がこんなに甘ったるいことをする人だなんて思わなかったから、毎度何かあるたびに戸惑ってしまう。

 だけど、少しも嫌じゃない。
 彼が笑ってくれたり、魅惑的な瞳で熱っぽく見つめられると、胸の奥が心地良くざわめくけれど。


 ダイニングテーブルを借りて、出来上がった食事を並べる。
 彼の向かい側に私の分を置いたら、副社長はいつも一人で食事をしているんだろうなと思った。



「いい味だね、美味しい」
「本当ですか?」

 本当だよ、と言って私が作ったスープを褒めてくれた。
 会社で見る冷たくて鋭い視線はどこへやら、温もりに満ちたその瞳に私までほっこりしてしまいそうだ。


「んー!! このハンバーグ、お店で食べるみたい!」
「そうだろ? 直々に一流シェフからレシピを教わったからな」
「どこのレストランですか?」
「俺の母親だよ」

 副社長がきっと幼い頃から食べてきた味。
 盛り付けは彼のセンスが光っているけれど、味はどこか懐かしさも感じるのはそういうことかと思った。


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