副社長のイジワルな溺愛

 解放されて経理室に戻ったものの、逆上せたようにぼんやりしてしまう。

 あんなに情熱的なキスばかりされたら、好きの二文字を伝える前に溶けてしまいそうだ。


「深里さん、ランチタイムはとっくに終わってるはずですが」
「……す、すみません」
「時間は守ってもらわないと」
「はい。以後気を付けます」

 お局の先輩に睨まれて、肩を竦める。
 十分ほどオーバーしていたのは見過ごしてもらえなかったようだ。
 時間通りに戻ってこなかった私が悪いとしか言えないけど、内心では副社長に向かって膨れっ面をしたい気分だ。


 時計を見て逆算すると、いつ終わるともわからないキスは、きっと十五分ほど続いていたかと思う。
 唇が腫れてしまったように熱くて、触れるとドキドキする。


「深里さん」
「っ、はい!」
「内線、鳴ってる」

 あぁ、もう!
 副社長のせいで、毎日が支配されてしまいそう。


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