副社長のイジワルな溺愛

 副社長が私の家に来る。
 それとも迎えに来るだけで、私が彼の部屋に行くのかな?

 どっちなんだろう。
 副社長に聞こうと思ったけど、その間に部屋の片づけをした方がいいと気付いて、携帯をテーブルに置いた。


 さっき入ったばかりのベッドを直して、明日でいいと思っていた洗濯物を畳んでチェストにしまって、ウェットクロスでフローリングを掃除した。


「もしもし」
《下に着いた。部屋はどこ?》
「306です」

 片付けが終わって間もなく、彼から連絡が来て応答すると、ちょうど下に来たところだったらしい。なんとか間に合ったとほっとひと息つくと、入口から呼出のチャイムが鳴った。


「はい」
《俺。開けて》
「…………」

 四日ぶりの彼は、オートロックの画面でも格好いい。
 ひと目見ただけで、胸の奥がきゅんと疼いてしまった。


< 268 / 386 >

この作品をシェア

pagetop