副社長のイジワルな溺愛

 ほどなくして玄関チャイムが鳴って、緊張が最高潮になる。
 部屋の掃除はしたけど、そういえばすっぴんだったと今さら気づいて、チェストの上の鏡を見た。


「っ、はい!!」

 早くしろと言わんばかりに、もう一度チャイムが鳴らされた。

 すっぴんを見せるのは初めてだ。
 初めて副社長と会った時は、瓶底って言われた眼鏡をかけていたし、言われたとおりに変わってからはメイクをしていた。

 がっかりされないかな。
 元からそんなに好きでもない自分の顔立ちを、彼はどう思うだろう。



「……はい」
「早く開けろ」

 細く開けたドアが思い切り引かれ、ドアレバーに掴まっていた私は倒れこむように彼の胸元にぶつかった。


< 269 / 386 >

この作品をシェア

pagetop