副社長のイジワルな溺愛
「顔、赤いですよ? 体調悪いですか?」
耳まで赤い彼の顔を見て、私はすかさず両頬に手のひらを伸ばした。
ほぼ無表情でぼんやりと見下ろしてくる彼は、きっと熱のせいで頭が回らないのかもしれない。
「熱いですね。大丈夫ですか!?」
そっか……体調が悪くてしんどかったから、私のところに来てくれたんだろうな。
私が足りなくて倒れそうって言ったのも、やっと会えたって言ってくれたのも、玄関を開けてすぐに抱きしめられたのも、熱のせいでフラフラしちゃってるから――。
「お前、本気でそう思ってるのか?」
「え?」
「分からないならいい」
革靴を脱いで室内に上がりこんだ彼の後を追って、玄関の鍵をロックした。