副社長のイジワルな溺愛

 今度は私の頬が一瞬にして焦げそうなほど熱を帯びていく。

 さっき副社長の頬が赤くて熱かったのは、私に対する思いがあってこそのものだったのかと気づかされて、思わず彼に抱きついた。


「み、見ないでください」
「は? なんで?」
「いいから、ちょっとだけこのままにしてください」


 まだ“好き”って言葉にできる決心がついていないのに、そんなに甘い言葉ばかり浴びせられたら、どうしていいのかわからなくなる。

 それに、すっぴんで赤面したってかわいくも何ともないだろう。


 メイクしておけばよかった。
 部屋着ではなく気の利いた服を着て出迎えたら、想いを告げる勇気が持てたかもしれないのに。


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