副社長のイジワルな溺愛

 海外から帰国した年末、社員の目など気にせず堂々と彼女を抱きしめた時、これから先の時間で彼女が困るようなことがあれば、なにがあろうと必ず助けると決めた。


 だけど今は、俺が助けてほしいくらいだ。
 計算ではないナチュラルな色気を、彼女はいつの間にか身につけていて。

 キスの合間に見せる甘い表情も、救いを求めるように俺の腕や胸元を掴む手付きも……。


「はぁー……」

 副社長室でひとり、深くため息をつく。
 昂った気持ちを抑えて、傍らのコーヒーの苦みで紛らわす。


 目を閉じなくても、茉夏の顔が浮かぶ。
 ふと気を抜けば、なんともだらしない顔をしているのだろうと予想がつく。

 もっと一緒にいる時間を増やせばいいのかもしれないけれど、同棲は結婚する時がいい。
 こんな気持ちで俺の家に彼女を迎えたら、毎晩のように襲ってしまうのは目に見えている。


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