副社長のイジワルな溺愛
エレベーターを降りると、玄関が続く変わった間取り。
ワンフロア一世帯のこのマンションに、彼女を連れ込むような日が来るとは……。
今までは仕事と自分のことが最優先で、俺が連絡する以外は自由にしていてほしいタイプだったのに、茉夏だけは常に手中に収めておきたいほど。
帰宅すると、リビングの明かりが点いているのが分かった。
「おかえりなさーい!」
「ただいま」
スリッパの踵を鳴らしながら、かわいらしく小走りで迎えた彼女を抱きしめる。
食事を作っていたと分かる匂いを纏っていて、恋人が待っていてくれる幸せを初めて知ったのも、彼女と付き合ってからだ。
「っ!!」
「……仕返しです」
「仕返し? なんの?」
不意を突いて、茉夏が俺にキスをしてきた。
驚いていると答えを聞く前に手を引かれ、リビングへ入った。