副社長のイジワルな溺愛

「私の寝顔、いつの間に撮ったんですか!?」
「あぁ、別にいいだろ。減るもんじゃないし」

 この前、彼女が来た時に撮ってタブレットに保存しておいたものを、出張先で見てそのままだったと思い出す。
 意図せず触れたとき、きっと見てしまったのだろうけど、そんなにムッとしなくてもと彼女を見た。


「こんな嬉しいこと、慧さんがすると思ってなかったから仕返しです」
「……お前だけ特別だからな」

 彼女の頭に手のひらを置いてから自室ヘ向かい、スプリングコートとスーツジャケットを脱いで、クローゼットにしまった。

 俺だって、こんなことするようになるとは思ってなかったよ。
 彼女の写真を欲しいと思ったこともなかったし、出張先でそれを見るなんてあり得なかったのに。


 リビングに戻ると、キッチンで春キャベツを使った料理を作っている彼女の背中が見えた。


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