副社長のイジワルな溺愛
でも、幸田は違うと思う。
単純に茉夏に興味を持って、自分のモノにしたいと思っているはずだ。
社内でも指折りのプレイボーイに、誘われているとも知らず……。
「断りなさい」
迷うことなく、俺はそう告げた。
「どうしてですか? 幸田さんあんなにいい人そうなのに」
「…………」
特に理由なんてない。ただ君を守りたいだけ。
それなのに、ムッとして反論してきた茉夏に俺は何も言葉を返せなくなる。
周囲と打ち解けて、楽しく仕事に取り組むのはいいことだ。
馬が合う合わないにかかわらず、仕事をするためと割り切ってくれれば、特に大ごとにはならない。
だから、他の誰かと食事に行ったりすることを咎めるつもりはないし、もしそういうことがあれば快く送り出すだろう。
でも、幸田だけは認められない。
「他にも一緒に行く人がいるみたいです。二人じゃないから、別に行ってもいいですよね?」
「……好きにしろ」
食事を早々に平らげ、俺はリビングのソファに座って、聞こえないように深いため息をひとつ。